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防災意識を高める

今月、大規模災害訓練がある。大学の法医学教室から、「是非、出席して欲しい」と声を掛けていただいている。

大規模災害訓練では、県警と合同での訓練となり、捜索ヘリや捜索訓練も行われるそうだ。

私は安置所設営訓練に参加して、体験や経験から、意見交換会に出席することになっている。

南海トラフでは、推定40万人が被災して亡くなるという国の統計が出ている。だからこそ全国各地で災害訓練が、頻繁に行われている現在である。災害訓練が行われたと聞いたら、家族や友人、近所の人や大切な人たちと、その日の内にしっかり話し合って欲しいと思う。日々の心の訓練も、話し合うことも、みんなで検討することも、防災意識を高める意味において必須です。

岩手県の行方不明者数は、1124名。毎月11日には岩手県警察により、行方不明者の捜索を続けていただいている。先般、白骨化した指が見付かって、DNA鑑定の結果、家族の元へ帰った。行方不明者数は、1123名になった。今でも、毎月11日の行方不明者の捜索をしてくれる警察官の方々の姿を、家族の帰りを待つ人たちが「自分たちの家族を探してくれる警察官のみなさんが、怪我などをしないように」と言い、その日の捜索が終わるまで、見守っている。言葉を交わすことはないかもしれないけれど、心はつながっているのだと、遺族の皆さんに教えてもらうことが多い。

大規模災害訓練参加に向けて、考えることは山ほどある。今日は、警察本部の方々と当時の警察管轄の安置所で御尽力された警察官の皆さんと、当時を振り返った。でもこれは、今に始まったことではなく、災害も、一度発生したらその場で終わるということはない。そこから、ずっと続いている色んなことがある。それが、災害なのだと私も経験をして始めて知った。

県警による防災の話しは、東日本大震災の災害を通して、現在まで小中高などの授業に於いて多く行われている。みんな、真剣な眼差しで聴いている。

当時、警察管轄の安置所で禁止になった様々なことの、理由を知った。警察として、御遺体と遺族を守るための最善だったことを知った。色んな人が、遺族の悲しみに触れるようなことを、怒りに触れるようなことをしていた。なんてことだと、何度も思った。警察官が安置所の入り口で、興奮状態の人を静止する場面は何度も見て来たが、そんな人が安置所に入ってしまえば、遺族の心を傷付けるのは目に見えている。そんなことがあったのかと、知らない間に、安置所を守ってもらっていたことが沢山あったことを知った。

遺族は当然の心理だけど、遺族ではない興奮状態の人は、安置所に入るべきではないと、私も思う。その状態で人に関われば、攻撃性を持ったままということになるので、人を傷付けるのは目に見えているし、何より聞く耳を持っていないその人を、良し悪しの判断が出来ないその人を、誰も受け入れはしない。

災害が発生すると災害関連の事件も、多発する。悲しみを食い物にする人たちも、実際には居る。それを知る度に、私自身の怒りをコントロールをすることが、困難なくらい腹が立つことも実際は、ある。色んな人に、色んなことを相談されることも、実は多い。「警察に、相談して。被害届を出して」と、何度言って来たことだろう。災害は利用され、悪用されることも、実は沢山ある。しかも、それは震災から6年が経つ今も、残念ながら続いている。

これまで日本の歴史は、大規模災害、飢餓、戦争など、一度に大勢の人が亡くなる経験をしている。海外では、日本人がその後、どのように生きて来たのかの研究が行われている。

私たち日本人の助け合いの精神は、日本人として誇りを持って生きて来た歴史は、きっと同じ経験をした誰かの道しるべになっていると思う。

誰も死んで欲しくない。みんな、生き残って欲しい。そう、誰もが思っている。でも、人間の死亡率は100%であるから、防災意識を高め、その後の生きる道を考え、過去の歴史を教訓に、いつか笑顔になれる日を目指して、大切な人に大切な言葉を伝えておいて、生きることを考えなければいけないと思う。

今年のいのちの授業や一般講演は、防災意識を高めるためのお話しを組み込んで欲しいという、依頼が多い。だから、振り返って思い出して、考えることが増えている。

皆さんにとっての「防災」は、今、どのようなものでしょうか。そして、今後の方向としてはどのような情報を取り入れ、組み込み、何を目指すのでしょうか。どのくらいの枝に分けた考えを持っているのでしょうか。これを機会に是非、考えてみていただければと思います。

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