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じじ、85歳

《後光》
ある朝、じじに後光が射していた。

よく見ると、納豆を混ぜながら歩いていて、

納豆パックから皿に移し、
皿を持ちあちこち歩いていているので、
最初の納豆パックからつながって、
ずーっと糸引いてて、

それが光に当たって反射して見えた・・・


「じじ、複雑な形の後光射してるよ。」

じじ
「あ?」
振り向いて・・・、「ありゃ!」

とりあえず、じじのお気に入りのちゃんちゃんこを速攻で洗濯しようと思った私でした。

《パスタ》
じじ「あのさ、パスタってさ、今どきのカラフル(カラフル⁉︎)な言葉で、別名(別名⁉︎って何?)なんて呼ぶ?」

私「スパゲティ?」

じじ「いや、違う。・・・んー、ま、いっか。」

後日、答えが分かりました。「サラダパスタ」でした。サラダがパスタの前についただけじゃない?という余計なことは、心の中にしまっておくことにしました。

《年寄りの世界》
北上市も、大雪が降りました。外を見ては、

「ありゃー」
「わぁー」

と言いながら、

「いつまで降るつもり?もう、充分だよ!」と玄関で空を見上げながら語っていたじじに、

「誰と話してるの?」と私が聞くと、

「空!」と答えたじじ。

その後、雪が止んだ。んー。

私が料理中に、鍋の蓋を開けて「おいしくなぁれ!」とじじが声を掛けると不思議とコクが出る。

元気の無い花をじじの部屋に鉢ごと持って行った時は、「どうした?じじだよ〜。大丈夫だよ〜。」花に語り続けたじじ。2日後、見事に元気になった花!

結果だけ見ると不思議なのかもしれないけれど、返事があるはずもない物に普通に語り掛ける年寄りの日常の方が、なんだか深い気がする。

じじ曰く、
「心を掛けることに、返事はいらない。存在してくれることに感謝してるだけだから、深い意味はない。」

じじは大好きなテレビを、いつも撫でている。そのせいか、じじの部屋のテレビだけは、壊れたことがないのである!

じじを観察していると、「色んな物に、もしかしたら心があるのではないか!?」と思ってしまう、日々でした。

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