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九州JA葬祭担当者納棺セミナー

毎年、お盆を過ぎた今時期の恒例になりましたJA葬祭担当者納棺セミナーです。お世話していただいて、つなげて、支えて下さる多くの方々に守られて企画されているセミナーです。

1日目は、福岡県で福岡県と長崎県の合同セミナーでした。五島列島からも、参加されていました。

2日目と3日目は、鹿児島県で。毎年2日間行います。鹿児島県の2日目は、1日目のステップアップセミナーで、1日目よりさらに深めてとにかくずっと実技を特訓します。

4日目は、宮崎県。公安を定年されてからの担当者さんが数名居られて、色んな知識があって、実践してこられた経験もおありで、なんとも安心出来るホールだなぁと素敵に思いました。いや、現役の時の体験談に心揺さぶれた私でした。そうやって、知らないところで私たちの生活は、公安の皆さんに守ってもらっているんだなぁ〜と思いました。

葬儀の時間には、必ず納棺業が入っていると思われがちですが、そんなことはありません。大都市ではシェア率も高いでしょうが、全ての現場に納棺業が入っている訳でもありません。納棺業も、実際はそんなに多くありません。出動出来る人は、限られているということです。

一人一人の技術の差ももちろんあります。この前お世話になった人と、今回お世話になった人が全然違ったという話が多いのがそのためです。

そういう意味でJA葬祭担当者セミナーは、JAさんとしての納棺とご遺体のお手当て、状況別で違う内容のグリーフケア(悲嘆の援助)を更に深めて、施行内容を実践出来る高いレベルで統一して、現場を深めてご遺族の深いグリーフケアにつなげる目的のセミナーです。

JA葬祭担当者さんがセミナーを受講する理由は、そういう理由です。なので、納棺が出来て、しかも経験豊富な担当者さんが非常に多いのも、九州JAさんの特徴です。

今回も、とにかく質問が多く出ました。実技はもちろん、現場で多く必要とされるグリーフケアに関しても、一つ一つその背景やご遺族の心情から、ステップやつなげ方、支え方、守り方、一緒に進めて行くタイミング、ながれ、安心出来る雰囲気へのながれ、ペースなど葬儀の時間の中にある特徴的な、沢山の質問にお答えしました。

九州のJA葬祭担当者納棺セミナーでは毎年、多くの離島からも参加されます。大きな町と違って物が揃わない中での工夫と、人と人のつながりの深さ。そして、それぞれの土地で守り続けられた風習が九州の歴史と共に深く存在しています。

何より風習として守られて来た中でも最も大切な、死者と生者の境目がない、敷居のないその深い葬送の時間を、粛々と葬祭担当者さん方々が真摯に向き合い守ってくださっていること、今年も色々教えてもらいました。

全国各地にお邪魔して、全ての都道府県にお邪魔した中で感じることは、よくよく現地で風習を守っている一般の方々も含め話し込み、本当に沢山の風習があるけれど、全て「目的」が共通していること。

全てがシャッフルされて色々とペースが乱れた今、死者の位置をしっかり知ること、そして今の関係性を死者と生者がお互いに理解し合うこと。お互いに生きる世界が変わることはこれまでとは違うこともあるけれど、あなたと私の関係性はこれまでと何も変わらないよね、いっぱい応援するからいつだって傍にいてねと、関係性を確かめ合うこと。違う世界に生きるもの同士がこれからのつながり方を身に付けていくこと、それが日本にある各地の、独特で且つ守られて来たステキな風習であることは、言うまでもありません。

だから、遺された家族の力は本当はすごいです。遺された家族がパワーアップした時、亡き家族だってパワーアップしています。

私がいつも現場で感じようとしているのは、遺された人の悲しみです。遺された人が持つ今の感情は、亡くなられた故人の感情に等しいと思っています。私は、どちらも支えたい。そういう目標があります。ご遺族の気持ちを感じることは、故人の今の気持ちを感じられるということ。

遺伝子って、そういうものだと思っています。遺伝子って、知れば知るほど本当にすごいと思います。

ご遺族が、亡くなられた方に話し掛けながら笑顔になった瞬間、亡くなられた故人も笑顔になってくれたと、私は捉えます。

火葬場の窯の前で悲しくなるのは、亡くなった人もきっと同じ気持ち。だから、みんなすがるのだと思う。故人と家族が、すがりあっているのだと思います。

49日も、100日も、一周忌もその後の気持ちも、本当はお互い同じ気持ちなのだと思います。求め合うことは許されているし、関係性も絶対変わらない。変わって行くことに対する不安は、死者も生者も全く同じです。だから、思い合える手段を探し、見つけ、身につけて実践します。

納棺は、絶対にそういうお手伝いが出来る時間。それを、弊社で商標登録を取った参加型納棺と言います。

少しでも、何かお役に立てれば嬉しいです。

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