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悲しみが教えてくれるもの

主に復元現場から継続した形で、悲しみに暮れるご家族の元へ走っていました。

様々な背景があり、

一人ひとりの人生があります。

火葬の翌日、息子さんを亡くされたお母さんからお電話をいただきました。


お母さん「火葬の後、お寺さんに息子(お骨)を連れて行って、拝んでもらったの。


でね、今朝、一緒にご飯食べたの。(笑)」


私「連れて帰って来たの〜?」(納骨の予定だったので)


お母さん「うん、連れて帰って来ちゃった(笑)


お寺さんがね、しばらく一緒に過ごして良いよって、言ってくれたの!」


私「なんと素敵なこと〜。そうでしたかぁ。」


お母さん「うん、息子にね〜、いっぱい話しかけてたよ。」


私「そうだったんですね。じゃ、昨日、少し眠れましたか?」


お母さん「うん、何度か目が覚めてしまったけれど、久しぶりに眠れたよ。」


想い出をたくさん教えていただいた後、今日、昨日、どのように過ごしていたのかを教えていただくことが現在、とても増えました。


いくつになっても、どのような状況でも、


親は親。


子は子。


お骨になり、母の胸に抱(いだ)かれて、息子さんもやっと安堵して眠れたのではないかな?と、思っています。


今月も、ご遺族からのたくさんの差し入れが届きました。


添えらる、メールやお手紙など、過去から今につながる思いをじっくりと、


何度も何度も読み返して、大切な人を思うこの世界にだけ存在する、温もりに包まれています。


現場は、心は疲れませんが年を重ねるのと共に体力が・・・。そんな疲れも吹っ飛びます。


こんな私でも、何か少しでもお役に立てているのだと思わせてくれる、ご遺族の思いに触れられたことが何より嬉しいです。


最近は、原稿や連載のお仕事など執筆も多くなり、早朝から夜中までずっと仕事が続いていますが、


夜中まで起きていると、

ご遺族との会話の中に故人の好きだった物の話題で出てきた、白米とイカの塩辛とのセットが食べたくなる今日この頃でした。食べてるけど(笑)


さて、引き続き頑張りましょっ!!

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