<ガウンが生まれるまで>
10年前の東日本大震災がきっかけでした。行方不明者の捜索に当たってくれていた警察、消防、海上保安庁、自衛隊の皆さん、DMATなどを含む医療の皆さん、検視に当たってくれる警察官もみんな制服が泥だらけでした。瓦礫の中の救助や捜索は、本当に何があるか分からない危険な状況であるにも関わらず、そこに挑む懸命な姿の中に見たのは、当時は防御できるガウン、消毒液、グローブやアームさえも足りてはいませんでした。みんなを守ってくれる人たちが守られていないことに、私は嘆いていました。
そして、コロナ禍で見た姿もまた、当時を思い起こさせました。10年前とまた、同じ姿を見ました。未知のウイルスに懸命に向き合い戦ってくれている皆さんが、目の前の命を助けようとしている懸命な姿を見ました。その中で、装備品が日に日に増え、脱衣時に感染の連鎖を起こさないようにする難しさが日を追うごとに大きな課題になっていました。
そして胸を痛めている中で、デルタ株により身内の死亡連絡や感染により重症であることを聞きました。いのちを守ろうと未知のウイルスに対して本人と一緒に戦ってくれた医療の皆さん、搬送してくれた消防の皆さんに身内一同感謝をし、そして感染させなかっただろうかと心配もしました。
今年の2月、この経験が基盤になり、初めてガウンのスケッチを描きました。半年間、何度も失敗を繰り返し、何度も挫折もしましたが、そのおかげで沢山のご縁がありました。7ヶ月掛けて出来上がった感染防御ガウンは、少し遠回りはしましたが、そのおかげで沢山の知恵と出会い、開発品と出会い、関わっていただいた皆さんとのご縁の中で、完成することが出来ました。
目の前の人を、今すぐ助けたいと思っている人に使ってもらいたい。安心して自分の仕事に従事してもらいたい。その思いで、沢山のこだわりと工夫を詰め込みました。国からの依頼実績を持つ縫製の技術も一流のmade in岩手の感染防御ガウンです。
災害から生まれた感染防御ガウンnon-lenserは大学病院など含め、COVID-19に関わる現場で使用され始め、県内外からたくさんのお問い合わせをいただいています。
<ガウンの特徴>
- 光触媒&チタン加工のシールド、フード(帽子)、グローブがこれまでになかった一体型になっている。
- 一つには、普段は別々になっていることと感染防御装備品が増えていくことで着衣に時間を要していたことと(掛かって約3分)、2つ目の問題点だった肌の露出を一体型とスタンドカラー(首回りの防御)で解決したことで、30秒ほどで着衣できる。
- これまで保護テープなどを使用するなどの工夫で着衣し、脱衣時には一つずつ外し汚染部分に触れるリスクが高いことで感染の連鎖の問題が発生していた。気を付けて脱衣、間に消毒工程を含めるとすると3分~5分掛かっていたが、一体型は5秒~10秒程度で脱衣が出来るようになり、時間の短縮が叶った。
- フード付きタイプは「1,2,3」、スタンドカラータイプは「1,2」で、汚染部分に触れずに誰でも簡単にガウンを脱衣できる。
- 着脱に時間を要しないことで、緊急性の高い現場に適している
これまで存在していなかったデザインであることで、令和3年10月18日に連絡を受け、特許庁に登録が決定、意匠専用権の許可が出る。
ガウン制作に当たりご支援、ご協力をいただきました皆様に、心より感謝を申し上げます。
令和3年10月20日
株式会社 桜 復元納棺師 笹原 留似子
お問い合わせ・ご注文は、弊社メールにて受付しています。売先をご案内致します。
住所、職種、を記載しお問い合わせください。購入いただける販売先をご案内いたします。
・non-lenser は、意匠登録取得 株式会社 桜の開発商品です。
non-lenser 脱着の動画はこちらから
多くの報道機関で紹介をしていただきました。
IBC放送
https://news.ibc.co.jp/item_44426.html
岩手日報
https://www.iwate-np.co.jp/article/kyodo/2021/10/20/776946
共同通信
https://www.47news.jp/amp/6534085.html
テレビ岩手
https://www.news24.jp/sp/nnn/news1179j8iwpnixk84z7be.html