7.52017
曹洞宗岩手県第4教区寺族集会
3日、岩手県内にて。
様々な御宗派に、御本山にお声掛けをいただくことが増えました。曹洞宗さまも、全国各地からお声掛けをいただいています。
今月は、地元岩手県内のご住職の皆さまの研修会と寺族(お寺の奥さま)の会と、色々お声掛けをいただいています。
今回は、普段納棺でお世話になっている寺族の皆さまだったので、存じ上げている皆さまも多く、震災のことを含め、地域の色々な話になりました。
信仰は、自分と向き合うための知恵や勇気をいただけると思いますし、死など悲嘆に関わる、本来は1人で考えることが難しいと思えることも、色々な考え方、視点から考える方法を教えてもらえるものだと思います。
ご遺族が葬儀の時に菩提寺を求めることも、信仰を深く知りたくなることも、知恵をたくさん欲することも、悲しみの中にある時の心情として、自然の歩みだと思います。
亡くなられたご本人が生前経験した「三途の川」の体験談などを、ご遺族から聞くことが多い私・・・。聞き取りをしている内に、三途の川がどんなところなのか、なんとなく地図が描けそうな気がしていますが、
寺族さまのお一人がお看取りに立ち合われたときに、聞いた話しが素敵だった。
「その方は何度か三途の川に行かれたそうです。川の向こう側に、身内が居て「おいで」と言っていたけれど、何度も断ったそうです。
そしてまた、三途の川に行ったとき、祖母が居たので又、断ったら、祖母が三途の川の向こう岸から川を渡って来て、「いいから、行くよ!」と。手を引っ張ったと。
行かないよ、と言ったら目が覚めたそうで、最終的に旅立たれましたが、きっと今度は断らなかったのでしょうね。」と、話されていました。
三途の川の話しはたくさん聞いて来ましたが、川の向こう岸から渡って来た人の話は、初めて聞きました。正直、感動。
昔から「葬列」という風習があります。必ず、一つの川をみんなで渡り、菩提寺に着いて葬儀を上げる流れになります。色々な意味を持ち合わせる風習も、どんどんなくなりつつありますが、現在も行われ歴史が守られている場所があるのも、事実。私たちの地域も、今も、色々と厳しく守り伝えられているしきたりや風習が存在しています。
何はともあれ、人は亡くなるときの体験物語は、遺す人を励ましてくれる話であることは、確かです。そこから道を一歩ずつ、死者も生者も別々の世界ではあるけれど、お互いを思いながら歩いて行くのかな・・・と、感じました。