8.12017
知恵
先日、ご遺族とお話しをしていた時のこと・・・。
89歳、女性
「しかし、今の子はえらいね。こんなに花火供養に来るのだものねぇ。」
テレビで、花火大会の様子が流れていた。お年寄りにとっては、花火大会は花火供養であり、盆踊りはご先祖様をもてなす行事という常識がある。
そう、お世話をすることが当たり前の人たちにとっては、何かは誰かのためにあるという、概念がある。ステキだ。
だから私は言った。
「そうですね。」
死者を弔うという言葉も、死者の供養という言葉も、ご遺族の本心としては、ただただ亡き人を心配して神仏に委ねることなのです。
花火供養は、江戸時代に始まったとされる説が濃いとされています。
時の将軍吉宗が、飢餓やコレラや戦で大勢の人が亡くなったので、供養のために始めた花火供養。当時は、町中に出た亡霊に悩まされる人も、その亡霊を心配する人も多かったのだとか。
死者と眺められる花火は、家族にとってはステキな時間なのかもしれないと、思った私でした。
お年寄りから教えてもらう風習は、とても勉強になるんです。例えば、お盆とお彼岸の違い。
お盆は、先祖や亡き人を迎えて、おもてなしをする風習なのだそう。
でも、彼岸は違う。春と秋にある彼岸の中日に、ご先祖様がやって来る。彼岸は、中日を挟んで前後3日の七日間のことを指すのですが、
彼岸の中日まで、これまでの反省や感謝をし、中日にご先祖様を迎え、その後3日はこれからのことを考えて、ご先祖様に生きる道、志を伝える日なのだそうです。
そうなんだ!!
風習やしきたりは、人が生きるために人の生活から生まれ、現代まで語り継がれます。
「年寄りはね〜、体は動かなくなってきたけど、知恵はいっぱいあるんだよ〜!あと、時々、適当だけどね(笑)」
満面の笑みにノックアウトされた、私でした。
*あくまでもお年寄りが教えてくれる風習です。正式には菩提寺に聞いてくださいね。