12.102018
モグモグタイム
納棺の準備のため、故人の所に居た私。傍には、奥さまが居られました。
高齢のご夫婦。仲が良かったのかと思いきや、正座をしたまま、こちらを向いて「そうでもないよ!」と、笑顔で答えた奥さま、微笑んだ表情がチャーミングでした。
隣の部屋から、お嫁さんらしき女性が話している内容が聴こえて来ました。
「最近、仏様のお供え物のお菓子が無くなるんです。」
(そっかぁ・・・)なんとなく、聞いていた私。フッと奥さまを見ると、口が動いている。
「ん?」そう思って、奥さまの手元を見ると、祭壇に備えてあるお菓子と同じ袋が!
「んんん〜〜!!」
同居していると話しながら傍に来てくれたお孫さんが、奥さまの隣に座って、
「でたぁ!!モグモグタイム!!おばあちゃんの、モグモグタイム!!(笑)お菓子は私と半分こね!」
食べかけて残っていたお菓子を、パクリと食べたお孫さん。
「あー!」と言ったものの、おばあちゃんニッコリ。
「おばあちゃん、糖尿病なんです!」お孫さん、こっそり教えてくれました。今どき、人の心を傷付けずにさり気なく動ける、こんな気の利いた子が居るんだなぁと、関心。なんてことが、あった。
青森県介護福祉士大にお声掛けいただいて、講演前の控え室での話し。
「ケアマネジャーなんですけどね、最近は、高齢の糖尿病の患者さんが多くて。ご自宅に伺うとらお嫁さんが
「仏様のお供え物のお菓子が無くなるんです。おばあちゃんに聞いても、
「私は、食べてないよ〜。仏様が食べたんじゃないの?」
って言うので、困ってます。
という話があるんですよ〜。」
私「えぇ、まぁ、ありますねぇ。納棺の時間も、ありますねぇ。(笑)糖尿病の方が居られるお家は、たまに聞きますしねぇ。
いや、仏さまのお供え物なので、仏さまも食べるとは思いますよ。
なのでいつも現場では、
「仏様の食べるお菓子も、コントロール管理したら良いと思います。」
とお伝えします。祭壇に供えているお菓子も、変えてもらうことがありますよ。
なにせ、葬儀の時はお菓子がたくさん供えられるし、お参りに来られる皆さんからも集まりますから!
食事制限をしている患者さんには、お菓子が目の前にたくさんあるので、酷な環境です。何より、故人が心配されているのではないでしょうかね。」
ケアマネジャーさん「そっかぁ!仏様が食べるお菓子も、仏様のためにコントロールしましょうねと伝えると良いですよね〜!」
私「そうです、そうです!」
糖尿病の方でも、美味しく食べてもらえます!っていう、お菓子があったら良いのになぁ。世界がもっともっと楽しみも多く広がるといいなぁと、最近はとても思います。
だいたい、馴染み深くて美味しいと感じるものは、糖分が多いものであることは、分かってはいるのですけれど。
納棺の時間に、「おじいちゃん、糖尿病だったんです。」と、故人のことを教えてもらうことも多いものです。
祭壇を見て、「やっと存分に食べられるかな?」と、故人に心の中で話しかけてみる私です。もしかしたら、お空の上でも食べるもののコントロール管理、頑張って居られるのかもしれませんしね。
ちなみに私も、甘いものが大好きです!きっと、なるかも・・・糖尿病(笑)
ちなみに我が家のじじも、モグモグタイムあります(笑)最近は、「ほら!これだけだからね!」って私に見せて、自分で食べる量をきちんと管理出来てます(笑)