11.52017
和歌山県新宮市
和歌山県新宮市
専門技術育成コースの出張版。4回目の技術指導として、今回は3日間で7件の納棺現場に入らせていただきました。地元の方々、葬儀担当さん方々の温かいお人柄が、とても印象的でした。
遺されたご遺族が、死を迎えた家族との関係性のペースが乱れたとき、日本に昔から伝わる風習が、死者と生者をコーディネートをして、安堵出来るようにつないでくれます。
和歌山県も昔から、修行の場として全国各地から山伏や僧侶が集まった歴史のある街。古い風習やしきたりも多く、粛々と語りと実践が守り継がれていました。
新宮市は災害も多い街で、つい先日も降水量が900ミリを超え、街のあらゆる場所では災害の爪痕が大きく残っていました。今回は、新たに更新した防災訓練・避難訓練の内容なども講習に組み込み、進めていきました。
大人向けの復元講習に、一人の中学生の女の子が参加。美術に興味があって、
「仏師か仏画師になりたい。」
と話してくれました。信仰の歴史のある新宮という土地で生まれ育ち、昔は大工という職人さんで現在は葬儀担当の父を持ち、叔父さんが僧侶という環境の中で育った彼女。いくつもの災害も、経験しています。生きる環境の中に、自然に仏さまが存在しているのかも、しれません。
手先が器用で、何より私が指導する一つ一つに、真剣に取り組んでいました。指導者に手を抜かせない少女の真剣さには、迫力さえ感じました。私も彼女の姿を見て、ずっとこの仕事を応援してくださる、一人の仏師の先生を思い浮かべ、そうだ!彼女のとの出会いを、手紙にしたためてみようと、思いました。私にそう思わせてしまうような、とても素敵な出会いでした。
こちらの葬儀社さんは、皆さん一人一人が職人気質です。いつもご遺族のことを思い、悩み、語り合う。しょっちゅう、どこでも、ミーティングが始まります。チームワークは、こうして培われているんだなぁと、ご遺族にとっても、頼もしいだろうなぁと、思いました。
「どうしても参加型納棺が、復元が出来るようになりたい!」と、社長に願い出た結果、思いが叶って一月に若い担当さんを長期の研修でお預かりすることになっています。社長さんからの希望も伺っていますので、何段階かに分けての計画を、進めていきたいと思います。頑張りましょう!
また皆さんに、お会い出来る日を楽しみに致しております!今回も、色々お世話になりました。益々のご活躍をお祈り申し上げます。