3.282018
静岡へ
駿河ロータリークラブ様からのお声掛けで、ロータリークラブさまの大会に於いて、以前、講演をさせていただきましたご縁から、お声掛けいただきました。
静岡市長、俳優の石田純一さん他大勢の皆さまが大会に参加されていました。
主に講演とシンポジウムは災害や防災についての構成になっていました。
静岡には教育関係の授業や講演などにも何度か講演にお声掛けいただいていますが、現在の大人も小さな頃から富士山が爆発したらどうするかなど、自分で考える方法を訓練されていて、防災教育を受けて育って来たそうですから、元々、防災意識は非常に高い方が多いことを感じます。
それから幹部の皆さんと、ゆっくりお話しをさせていただいた時間もありました。
人と同じく災害も同じで、災害活動を通して知り得たのは、どのような場面でも正直、表の面と裏の面があります。光に当たらない裏の面でも、様々なことが起こっていて、裏の面をどのように調整して表の面を表現して行くか、発生する問題や対策なども含め、その様々なバランスがとても重要になります。
実は震災の時に現地に居て、本当にとても有り難いのですが、本当に大変だったのが災害を理解してもらえない方々の「支援を受け入れる」ということでした。これも、裏の面の一部。
状況がどんどん変わっていく被災地では、希望の場所につなげることは、その状況に応じて可能なことと不可能なことがあるわけです。社協さんのボランティア保険も必須ですし、社協さんの紹介でボランティアをしていただけるのが本当はベストだと思います。ボランティアの本当の意味が、きちんと理解出来ますから。それが、受け入れる側の事情ですね。
「こういうことが出来ますが、今、必要ですか?」と聞かれるのが一番助かったかもしれません。後で、必要な時にご連絡させていただいたことも、沢山ありました。
基本的に支援は、目の前の状況把握と目の前の方の求めていること、求めていないこと(踏み込んではいけないラインが必ずあるので)をきちんと理解してスタートしなければなりません。
なので例えば、困ったタイプの方に出会うと、
(あぁ、どんどん変わるこの状況に対応してもらえないタイプの方なんだな。しかも、人を傷付ける言葉を人に向かって発言するタイプの方は、ご遺族の居られる所にはつなげられな)と、なる訳ですね。
特に、
場の雰囲気を読める人、読めない人。
状況が分からないのは当然ですが、聴く耳を持てる人と、興奮状態でどんどん自分のペースだけで進んでしまう人、周りに迷惑をかけてしまう可能性のある人。
自分のやりたいことだけをやりたい人、被災地の現状に応じて受け入れる側の希望に対応してくれる人。
困ったことが発生すると、みんなで裏の面で考えるのですが、
基本的に裏の面は、ストレートに人の心を左右しているので、表には出さないけれど、決めて進めなければならないことであり、現地のご遺族含めた関係者と擦り合わせて行くことが多かったかもしれません。ですから、職種や立場を超えて頼もしい良き相談相手が沢山増えました。
みんなと進んで来たその様々な対応は、自分の活動の他に多く求められるものでした。その経験があったから、現在、全国各地から震災支援を求められた時に活かされているのかもしれません。
そういう意味でも、ロータリーさんの活動は普段から国内外ともつながり、様々なご支援をされていて、支援自体の流れをよくご存知ですので、私もこれまで随分助けていただきました。特に、ご縁をいただいた全国のガバナーの皆さまには、これまで裏の面の対応や対策をご教授いただきました。
ロータリーさんの存在は、私自分も大きな世界に触れさせていただき、TPOに合わせて社会のマナーの詳細を色々教えていただきました。沢山の知識や知恵をいただける場であり、おもてなしとして家族のように対応してもらえる雰囲気に、いつも癒されお力をいただいています。今回も、本当にありがとうございました。
皆さんとお話ししながら、福島県のロータリーさんにお声掛けいただいて伺った時の話しを、想い出していました。
震災でお孫さんを亡くされたおじいちゃん。孫を追ってあの世へ行きたいと、毎日思っていたそうです。
そこへ突然現れた、県外からのボランティアの高校生の女の子。聞けば、アルバイトでお金を貯めて一人でボランティアをするために、福島に来たと。
「私、また来ます!アルバイトでお金が貯まったら、又、必ず来ます!」
おじいちゃんは、「ちゃんと帰れたか心配だったし、何よりあの子が来るのが楽しみで、生きていることにした。」と、号泣しながら、時々、高校生の女の子からお手紙が届くことを教えてもらいました。手紙には、長生きしてくださいと書いてあったそうで、「あの子のために、長生きしたい。」そう加えて、お話ししてくださいました。
人には裏と表があって良いとは思います。上手な人は、裏というか見えていない所のバランスが取れている人。裏のバランスが表の顔を表現していると思いますから。
生活だって、私生活と社会の面があります。社会の顔を表現するためには、私生活を安定させることが大切だと思います。(だから、人は支え合う!)
ということは、高校生の女の子の家族はきっと素敵な方々でしょうね。彼女がおじいちゃんの私生活(ナイーブでプライベートな心の部分)を支えてくれたから、おじいちゃんは社会に向ける顔が復活出来ました。
これが、本当の支援なんだと思います。今から、5年前の話だからきっと、素敵な大人になったことでしょうね。
静岡は晴天だったので、壮観な光景。往復の電車の中から日本一の富士山の全景を拝むことができました。時を超えて昔の人も見ていた富士山。そう考えると、昔の人とつながれているようなとても不思議な感覚と、とにかく自然ってすごいなぁ、そう思った時間を過ごしていました。