5.282018
花巻農業高校、開校記念講演
宮沢賢治が学校の先生として活躍されていた、岩手県花巻市にある伝統ある有名な学校です。
学校の敷地内には、宮沢賢治が住んでいた家も移築されて管理されており、全国各地から多くの宮沢賢治ファンが訪れているそうです。
宮沢賢治が住んでいた家の管理の一つとして、学校では生徒さんたちが当番で毎日お掃除をしてくれているそうです。えらいです。
「下ノハタケニイマス」
という黒板に書かれたあの有名な字は、掃除当番の生徒さんたちが、チョークが消えないうちに上からなぞり、守ってくれているのだそうです。
以下、授業の内容の一部です。
宮沢賢治の作品は、私も小学校の頃から暗記するほど、花巻市出身である母に読まされていました(笑)。母の高校の先生は、宮沢賢治の教え子だったそうです。そういうご縁で、母は宮沢賢治に特別な思いがありました。小さな頃には分からなかった宮沢賢治の世界でしたが、
私自身が年を積み重ね、様々な経験をし、作品を暗記していたことが功を奏して、宮沢賢治が見ていた世界や、その表現に慰められ、勇気付けられ、戒められて、励まされています。
悲しみの専門職として存在している今は、よだかの星、セロ弾きのゴーシュ、銀河鉄道の夜の話しに慰められます。誰でも生きて、その後死を迎えますが、賢治先生の世界にはその先がある。宮沢賢治の銀河鉄道の夜は、そういうことを教えてくれる作品なのかなと、宮沢賢治の死生観が益々大好きになりました。
宮沢賢治の作品の中で私が一番大好きなのは、あまり知られていないけれど、座敷わらしの話です。船の船頭さんと、立派な裃(かみしも)を着けた少年とのやりとり。
その船が出た場合、着いた場所が、実は私の住む北上市内にあります。よく、県外からのお客様を案内させてもらう場所の一つです。お寺の敷地内にありますが、そのお寺のご住職がいつでもおいでなさいね。と、私があんまり頻繁に行くもので、許可をいただきました(笑)
ところで・・・、座敷わらしを見たことのある人、手を上げて!
「はーい!」←さすが岩手県民!けっこう居ました。
マイクを持って、生徒さん方にインタビュー。みんな、各々の座敷わらしをジェスチャーを使いながら色々表現してくれました。
会えば奇跡が起きる、幸せになると言われている。その言い伝えの裏にある、本当のことを岩手県に住むみんなだから、私は話します。生きていたくても、生きられなかった子どもたち。(中略)これからは真実を知った上で、座敷わらしを可愛がってあげてください。
花巻農業高校の学生さんは、3つの専門課程に分かれて学校で学びますね。
勉強は、もちろんテストの点数も大事かもしれない。でも、今、学んでいる1つ1つが知識になり、実践して誰かの支えになっていきますので、自分が、人の役に立つこと、仲良くなれるきっかけ、人との関係を深めて行く情報を学び、どのくらい覚えられたかな?と、テストを受けて、どのくらい身に付いているかを確認してみてください。自分を向上させる手段がテストであることを意識してもらうことは、いうまでもありません。
(後略)
生徒さん方は普段から授業でいのちに触れ、育む経験をしています。生活の中で大切な人を亡くした経験の子も多く、大切ないのちを思い出しながら、目をキラキラさせて聞き入ってくれていました。
学校の先生方々も、民話のふるさと遠野の出身の先生も多く、昔から語られ聞き続けた沢山のいろんなお話しをご存知で、情報交換をさせていただいたのも、深い時間でした。
花巻農業高校の生徒さんたちが作った、ジャムやベーコンなどの商品はとても有名な所ですが、まだの方は是非ご賞味いただければと思います。宮沢賢治が当時から生徒に伝えて来たものが、生徒さんたちの汗と涙の商品になっています。機会がありましたら、是非どうぞ。
1つ1つの いのちをいただいて、私たちの体が作られていること、感謝して食べることを、生徒さんたちはみんな、意識出来ていて身に付いていました。素晴らしい。皆さん一人一人のご活躍をお祈りし、応援しています。