9.132017
喜色満面を引き出すお年寄り
「野菜、いつもごちそうさまです〜!」
仕事を終えて、家に着いて車から降りると、全然知らない方から声を掛けられました。
私「???どーもー・・・。」よく分からないけれど、返事をしてみた。
「いつも、おじいちゃんから、野菜をいただくんです!!」
私「あら、そうだったんですか!」
「ゴーヤとか、ミニトマトとか、キュウリとか!」
私「(ん?)もしかして、家で出来た野菜?(私が作った野菜?)」
「そう、そう!とっても美味しかった〜!」
私「私も出張が多くて、食べてもらえると助かります。」
キュウリやゴーヤ、高い所に出来たのは、じいちゃんは無理して取ろうとするので、出張前に収穫してから出掛けていました。でも、キュウリはすぐ大きくなるので・・・
私「あ!もしかして、高い所に出来たキュウリとか?」
「そう、そう。届かないからって(笑)」(でた、でたー!年寄りは、甘え上手!)
私「ありゃー、それは、返って申し訳ないです。ありがとうございました〜。」
「おじいちゃん、面白いですね!」(げ!また、何か話したな⁉︎)
ということがありました。そして、先日には、こんなことも。
我が家には、正確にはじいちゃんの部屋の、お菓子箱に何故か駄菓子がけっこうあり、私も時々こそっといただきます(笑)ある日、近所の子どもたちがやって来て、
子たち「おじいちゃんは?」
私「どうしたの?」
子たち「おじいちゃんと、お友だちなの!(すごい!年の差80歳位のお友だち!!)お菓子、ちょうだいってしに来た!」
「あら。いま、居たかな?(正確には、起きてるかな?)ちょっと待っててね。」
「僕たちが通るとね、お菓子食べるか〜?って、お菓子をくれるんだよ!」と。知らなかった(笑))
じいちゃんはあまり外出しないので、気晴らしに少しでも家から出てくれたら良いなと、勝手に思ってはいましたが、いやいや、なかなか、私の知らない所で交流していたという、嬉しい話しでした。
岩手県に引っ越して来て12年。毎年、何かしらの野菜を作るのは、岩手県に来て一年目に農家の方から「いのちを語るなら、野菜を作り、野菜からいのちを学んでからにしなさい。」と戒められ、それは言えてる!と思って、それから毎年作るようにしている。
ナスビに毎年失敗し、通りすがりのおじいさんにナスビの育て方を教えてもらった。後で知ったけど、その方は徘徊していた認知症の方だった。私にしてみれば、認知症という意識を超えて、普通に大救世主だった。
初めて野菜作りに挑んだ年、人参を作ろうと鍬を持ち、せっせと畑を耕して(正確には手に豆を作りながら畑のエリアを作っていた)いた所、ヤモリの首を切断してしまいショックを受けていた所、通りすがりの農家のおじいさんが、
「あ、それなら田んぼに入れてやれ。生えてくるから、頭!それは、そういう生き物だ!ガハハハ(笑)」
(いや、それはきっとしっぽ・・・)年輩の人に意見を言うこを許されなかった母の教育の元に育った私は、
「はい。(いや、やっぱりしっぽでしょ?)」
・・・やっぱりヤモリは動かなかった。ごめんなさいと、手を合わせました。でもその後しばらくして、あのおじさん式の慰め方だったのかなぁ?と、思ったことがある。
岩手県には、「やんべ」と言う、私の大好きな言葉がある。肩の力を抜いてとか、だいたいにとか、そんな意味だ。
地域の人で、コミュニティーの中心になっているものすごいアイドルなお年寄りに「あなたは何故、人気者なのか」と聞いてみたことがある。その方は、こう言った。
誠実に、一生懸命やることは基本だけど、そのことで仲間の気持ちがいっぱいいっぱいになっているなと感じたら、やんべな時を作ること。そして、大事なこと以外は、失敗とか余計なこととか、すぐ忘れてあげること。良くないなと思った時の注意は一回。後は同じことをしたら無表情でじーっと見てるの(笑)あぁ言った、こう言ったなんてことは言わない。あ、そう?と、またやんべにするの。それから性格上、細かいことを、言う人には、「良いからよぉ〜」って、恥をかかせないように爽やかに言うの。(笑)ただ、それだけ(笑)
なるほどなぁ〜。コーディネターとして、博士の域に達しているなぁ。と、お年寄りと話していると思うことが多々あります。人生経験って、はっきり言ってすごいです。
ご遺族と話している中で、とても若い世代の子たちが、ランチに行ったり、お茶したりするお年寄りのお友だちが欲しいと話していることに出会うことも多くなりました。(盛り上げ上手、励まし上手な方が多いから。キュートだしね。)お年寄りの歩く速さ、杖や車椅子の使い方を教えて欲しいと声を掛けられることもあります。核家族化と言われる時代の、新しい形なのかもしれませんね。私は、とても素敵なことだと思いますよ。(*´꒳`*)
頑張れ〜٩( ‘ω’ )و良いご縁が、ありますように。