高知県介護福祉士会主催のセミナーで、四国、高知県に来ていました。気温は16℃、梅のつぼみが出始めたそうで、春の訪れ⁉︎を感じてしまうほど、爽やかな良いお天気でした。高齢者福祉施設や病院など、医療・介護職の中の様々な専門職の皆さまが集まりました。
介護保険制度がどんどん変わっていく中で、内容を伺えば、利用者さんにこれ以上の生活負担と不安なストレスをかけないように、現場の人たちはこんなに大変なものなのかと。現地の風習に合わせて、色々組み込んで、5時間の講義を担当させていただきました。
四国八十八ヶ所霊場のある四国。高知県で色々知ることが出来て、ステキな文化にも出会いました。
地元風習の中には「お接待文化」があり、今で言うホスピタリティがすでに皆さんの生活の中に組み込まれて存在しているので、悲嘆の援助に関しての話しも、マッチングをしてお伝えしました。
〈お接待文化〉〜地元の皆さんのお話しより〜
四国八十八ヶ所を巡礼するお遍路さんは、「南無大師遍照金剛・同行二人」と唱えます。
同行二人は、弘法大師と自分。つまり、お遍路さんは、弘法大師と歩いている訳なので、
お接待をする地元の人は、旅をするお遍路さんをおもてなしすることで、自分の代わりにお参りをしてもらうこと。
そして、お遍路さんと旅をする弘法大師を、おもてなししている。と考えられているそうです。
おもてなしを受けたお遍路さんは、弘法大師のお陰様でお接待をしていただけた御礼に「南無大師遍照金剛」と唱え、納め札を渡して、御礼を伝えるのがマナーだそうです。
知らない人同士だけど、お互いを大切に思えて感謝出来る関係って、とてもステキです。日本で考えると、四国にしかもう残っていない、お遍路さんへのおもてなしの、お接待文化なのだそうです。
「最近のお遍路さんのお接待で、一番喜ばれるのは、『携帯の充電器を、御自由にどうぞ』のコンセントの提供でした。時代だなぁと思いますが、時代に合わせて喜んでもらえるのが一番。」温故知新ですね。
「お休みどころは、格子状にして木の間をすかして、密室にならないように工夫します。お互いに、信頼出来ない関係にならないようにしています。」
「お接待と、お節介(おせっかい)は紙一重、よく考えて、喜んでもらえることを考えます。(笑)お節介にも相手を思う思いやりが入れば、親切にもなりますよね。(笑)断りやすいようにの配慮が必要ですが。」
伺った高知県にも、人の思いと生活を積み重ねた長い歴史がありました。人のいのちを支える風習、守りたいね。そんな風に語り合えた貴重な時間がありました。私も、四国八十八ヶ所巡礼、行きたいな。そんな思いを残して、帰って来ました。ありがとうございました。