11.52017
花巻市東和中学校
花巻市立東和中学校
いのちの授業に、伺いました。
花巻市と言えば、宮沢賢治。校長先生のおばあちゃんは、宮沢賢治と同級生だったそうで、当時からとても頭の良い方だったのだそうです。花巻市では時々、そのような素敵なお話しと出会います。
東日本大震災に於いて、校長先生は当時野田村で副校長先生として御尽力されていて、被災したのだそうです。当時を振り返りながら、校長室で、色々なお話しを伺いました。
全校生徒、保護者、諸先生合わせて300名強の皆さまへ向けての同じ話しとなりました。
私「避難訓練、真剣にやってる?」
生徒さん方「んー・・・」
避難訓練訓練の意味を知ってもらって、防災意識を高めることの目的として、話しを進めていきました。
警察、自衛隊、消防の皆さんが力を尽くしてくれた捜索や、遺体安置所の話しも深くしました。
私「法医学の先生方々と、各警察本部、海上保安庁、消防本部、警察庁が合同で行った、大規模災害訓練に参加させていただきました。訓練は、みんな真剣。大人のプロの世界でも、真剣に訓練は行われています。」つべこべ、つべこべ。
私「ね、みんな、これから本気出しで出来ますか?」
生徒たち「はい!」「本気でやります!」みんな各々、元気いっぱい答えてくれました。
遺体安置所の話しも、亡くなった方々がどの様に大切にしてもらっていたのか、深めて行きました。
みんな「全然、知らなかった〜〜!」
生徒の皆さんから、声が上がっていました。話しを進めていくうちに気が付けば、みんな椅子に浅く座り、身を乗り出して聞き入ってくれていました。
特に、中・高生のいのちの授業では、幽霊や心霊現象にも触れます。それは、きちんと知って欲しいから。そして、遺族が悲しむような噂を自分の判断で止めて欲しいから。そんな願いを込めています。大きな反応と盛り上がりを持ってはもらいますが、死から沢山の学びを得て欲しいと願う、私なりの老婆心を込めています。
日本人であるからこそ知って欲しい、日本の風習としきたり。風習やしきたりという伝統の中にある「いのち」は、自分と向き合うことを教えてくれます。
どのような死を迎えても、人は死ぬために生きている人は一人もいません。人は、生きるために、生きています。だからこそ、遺された人がその大切な人の人生を想い出して作る、物語があります。一人一人、みんな違う。その人の色がしっかり見えたとき、遺された人は亡くなった人と、関係性を取り戻しています。そういうステキな遺族が、私の周りにはいっぱい居て、いつも、色んなことを教えてくれます。
授業で、「おもかげ復元師」「おもかげ復元師の震災絵日記」を使っていただいているそうです。いま、全国各地の学校の先生方々から、ご報告をいただくことも多くなりました。
正直、私が話すよりも先生方々が伝えてくださった方が、きちんと伝わることを私は知っています。(笑)。先生方々は、教育のプロです。解説も、問い掛けも、本当にすごい。
死をテーマにすることは、現代では難しいことなのかもしれません。でも、生きている以上、絶対に避けられないこと。先生方々の世界の中で、亡くなられた方が生きている人を支えてくれる時間は何より、絵日記を世に出して良かったと思える時間です。
そうそう、「君の名は」の作品のお陰様で、昔、正規の巫女として奉職していたことで生徒さんたちから憧れてもらうことも増えました。その眼差しに度々戸惑うおばちゃんを、どうぞお許しください。
皆さんの益々のご活躍を、お祈り申し上げます。