ブログ

綜合ユニコムさん東京セミナー

綜合ユニコムさんの、恒例の秋のセミナーでした。9年目になります。

1日目は参加型納棺
2日目は死化粧と特殊遺体復元

春と秋に開催されるユニコムさんのセミナーは、半年に一度行われますが、毎回テキストを更新してのセミナーになります。

なので、何度受けていただいても大丈夫なセミナーで、リピーターの受講が非常に多いのも特徴です。

2日目のセミナーで・・・

ずっと鼻をかんでいる、美しい女性の方が居ました。聞けば、

「今日のセミナーを受講して、沢山知識を得て、実戦に向け練習も出来て、本当に色んな現場を思い出して、あの時もこの時も、いっぱいやってあげられたのにと、今、思っています。」

と、又、涙を流していました。後半、

私「今、何で鼻かんだ?」

美女「ハンカチです!ティシュが無くなってしまった(笑)次来る時は、ボックスティッシュを持って来ることにします!(笑)」

現場の話しをしながら進める、このセミナー。特に急死の現場は、遺されたご遺族が時おり気を失いそうになることも多くあります。

私「お父さん!私の声が聞こえますか?今ね、子どもさんの大事な時間です!今の状況だと、ご存知の通りね、お父さんが救急車で病院へ行くか、呼吸をゆっくりでいいので整えて子どもさんと居るか、お父さん、どちらにしますか?お父さんが決めたことなら、私たちはそれに従いますから。」

全く眠ろうとせず、今しかない大事な時間を過ごして、涙がもう出ないくらい泣き、そして焦点が合わず、意識がもうろうとする中でも、親は子の傍に居ようとします。

復元は、確かに難しい技術です。それを習得したら終わりではいけません。ただ直せば良いということではありません。復元は、ご遺族のための技術です。復元の後、出会い直してもらえたなら、これからを一緒に考える所までがきっと、私達の仕事だと思うから。

そういう現場が、本当は沢山あります。そういう時間を通り、みんな一人一人の今がある。そういう人たちが、地域を作ってくれていることを、私は知っている。しかもみんな、たくさん泣き続けているし、それをパワーに変えてとても働き者です。だから、そういう人たちと一緒に居られるように自分を磨き、自己評価は厳しく、縁の下の力持ちになれるように、自分を普段から戒めておかなければ、鍛えておかなければならないのだと思っています。

今回のセミナーで、技術の引き出し、心の引き出しを沢山作ってもらえたと思います。

私たちの仕事は決して目立たないし、世の中に公開されることはない時間だから評価もされない仕事だけれど、私たちの立ち位置は影の影に徹し、肩の力を抜いていただけるように、どのくらい尽くし切れるか、何より故人とご遺族の出会い直しの場を如何に整えられるか、それがきっと使命なんだと思います。

現場は一人じゃない。ご遺族と一緒に、しっかり考えて進めて行くことの大切さが、参加型納棺の意味するところです。

今回のセミナーも、お疲れ様でした。また、皆さんにお会い出来ることを、楽しみに致しております。

関連記事

著書のご案内

おもかげ復元師(ポプラ社)


遺族の深い悲しみを、生きていく力に変える。ボランティアで300人以上を復元した女性納棺師が綴る、生と死のドラマ。
この商品を見る
おもかげ復元師の震災絵日記(ポプラ社)


東日本大震災後、津波被害の激しかった沿岸地域で300人以上のご遺体を復元した女性納棺師が描いた絵と言葉の実際のスケッチブック。
この商品を見る
看護職・介護職が行う エンゼルケア・死化粧とグリーフケア (日総研出版)


数多くの旅立ちに立ち会った 復元納棺師が教える エンゼルケア・死化粧とグリーフケア!
この商品を見る
納棺・遺体処置実務実践資料集(綜合ユニコム)


損傷部位の処置、溺死、縊死の処置など、ケース別の対処法を詳解!
この商品を見る
新生児・小児のエンゼルケアとグリーフケア(日総研出版)



震災でたくさんの子どもを見送った復元納棺師が遺族の負担の和らげる技術を動画解説!
この商品を見る
ご遺族参加型納棺 実践DVD(綜合ユニコム)


家族とともに行うための着せ替えの手順と手技のポイントを「全体」と「視点やポイント」の編集構成で、わかりやすく見せます!
この商品を見る
ページ上部へ戻る