6.152018
物申す
座敷わらしがチェーンメールに利用され、警察が注意を呼びかける事態が発生していると、昨日のニュースを見て、ガッカリしていました。ニュースになると言うことは、社会問題になっているということです。事は重大です。
座敷わらしだけではなく、誰かの話をする時は、その背景や状況、その人の気持ちに配慮して話すのがモラルです。
多くのいのちの授業でも、その辺を詳しく話して来ました。
そういうモラルが失われてしまう現代を、残念ながら迎えてしまったのかと、ガッカリしてしまいました。
これまで長いこと小さな頃から座敷わらしと共に生きて来て、座敷わらしについて研究して来た私としては、とても悲しいことです。座敷わらしを大切に思っている多くの人たちも、同じ思いだと思います。
なので、一言物申したい。
座敷わらしの真実を知らない人が、自分の評価や利益のためだけに座敷わらしを悪用したことになるので、昔からその真実を知り何代にも渡りそれぞれの家が座敷わらしを大切にして来た、そういう人たちをも裏切る行為そのものと言えるでしょう。
座敷わらしは、呪いません。もっと言うなら、我欲の塊の人のところには行きませんから、呪うこともありません。しかも座敷わらしが人を呪う話しは、この歴史の中で一度も聞いた事がありません。
しょっちゅう、小中高生から相談されるのも、このチェーンメール。人の恐怖心をあおる悪事は、即刻止めるべきです。
私に言われてチェーンメールを止めた多くの子で、呪われた子は1人も居ません。
「呪われなかった!」
と、みんな驚くけど当たり前です。
はっきり言って、呪いってそんな簡単なものではありません。もっとすごいのが、本当の呪いです。「呪い」の本当を知らない人が呪いを語り、座敷わらしの真実を知らない人が、座敷わらしが呪うと言い、やっている事が中途半端過ぎ。
座敷わらしと関わるためには、絶対的なルールがあります。そのルールも知らないで、悪用するのは、失礼千万。
民話の中には、沢山の恐ろしい話が語り伝えられていますが、ルール違反を犯した人がその恐ろしい事態を招いた話しは山ほど伝えられています。
ルールとは、神仏、自然、人や物を大切に思う気持ちとその行動。ルール違反とは、その真逆です。
チェーンメールを拡散させることより、早く反省することをお勧めします。
震災活動のいのち新聞や、遺族の会の母ちゃんの会、私や私の周りの人たちは、座敷わらしが座敷わらしと呼ばれるようになった代々語り継がれている民話を語り、座敷わらしをたくさんの人たちに愛してもらえるように心から思って、大切にしてもらえるように努力して来ました。
座敷わらしを愛していた代表的な人は、宮沢賢治や水木しげるさん。水木さんが語る妖怪が人から愛される訳は、水木さんが一人ひとりの妖怪の背景を調べて知り、彼らが背負う悲しみを丁寧に伝え表現されているからでしょう。水木さんが座敷わらしを大切にしてくれていた事は、私たちの地元でも有名な話です。なので、お空の上で、どんな思いでこのニュースを見たことだろうと、きっと心を痛めておられるのではないかと思います。
座敷わらしは、頑張っている人の傍が大好きです。座敷わらしに気に入られた人は応援されるので、どんどん運気が上がると昔から言われています。
しかしその運気を我が物にして有頂天になり、我が強くなり、独り占めの気持ちが発生し、他者の足を引っ張って自分だけが上がろうとする、人の悪口を言いふらしたり、自分の利益のために嘘をついたり、自分だけが良ければいいという行為をとても嫌い、そうなってしまった人から離れていくと伝えられる話しも山ほどあります。
座敷わらしと長く一緒に居られるためには、どうしたら良いのかと人々はこれまで考えて来ました。人と付き合っていくことだって、同じことです。
民話の中に語られることの大切な部分には、人が生きるための知恵が、たくさん含まれているということ。
座敷わらしに気に入られる人は、どんな人にでも好かれます。なぜでしょう。座敷わらしが教えてくれる事は、戒めだからです。人がどう生きるのか、説いてくれているからではないでしょうか。なので、呪いでは決してありません。
今回の事態は、むかし話が語られらなくなった今の、いのちの価値がどこかへ行ってしまった、結果なのかもしれません。
来月は被災地沿岸を伺う約束を多くしている所ですが、この話しもきっと話題に上がることでしょう。
歴史の中で座敷わらしと呼ばれるようになった内容でさえ、みんな心に刻みつけて大切にしています。更に座敷わらしが軽はずみに私利私欲として利用されたことに対し、座敷わらしが余りにも切なすぎる。
座敷わらしと持ちつ持たれつ生きている人たちが沢山います。そういう気持ちを踏みにじった行為に、物申したかった。
このニュースの座敷わらしに関しての質問も多くあったので、この場でお伝えします。
そういうことです、よろしくどうぞ。