5.182017
昆虫の話し
現場で6、7年前からemergency(緊急出勤)が増えています。これまでは、警察から引き継ぐご遺体には、警察で見付けたもらった時点でよく起こっていることなので、話すことも多いのですが、
病院や施設から引き継いだご遺体にも、近年、発生しています。
虫。
ハエ、ウジ。
これ以上、言わない方がいいだろう・・・。色んな昆虫が付着します。
警察で行われる検視の中で、ウジなど昆虫類は事件解決や死亡時間などの特定のため重要な証拠であり、検証の鍵を握る大切な存在です。警察と法医学は事件解決のためにチームになりますが、東日本大震災のときも、そうでした。法医学の中には、法医昆虫学という分野があるほど、昆虫は事件解決に向けて大切な証拠となることが多くあります。
遺体は、嘘を付かない。と言われるのは、そういう色々な検証が行われているからです。
なので、現在ウジは何代目(生まれて成虫になる周期があるので。種類により異なる。)かと、大きさを見ながら復元の目的のため、私も現場でウジを観察します。
昆虫が、亡くなられた方のお体に着いてしまうと、色々起こります。家族も、まさか!と、驚きます。だから、すぐに走って、速やかに解決、という現場が増えています。
私は病院や施設から引き継いだ方の納棺にも伺いますが、復元師というもう一つの顔があり、事情があって亡くなられてから時間の経った方。こちらはお体に着いた虫の駆除からスタートする訳なので、虫の駆除は経験上、必要不可欠の内容なので、実は得意としています。
現代は、温暖化の影響もあり、新種の虫も発生していて、病院や施設から引き継いだ方のお体にも、虫が着いていることが増えました。お手当をしてもらっていない人に、その現象が起きている様です。
法医学の医師や医学者から「見てみたら?」と言われていたドラマのDVDを、今月、なんとプレゼントしていただきました。
私が特に専門職のセミナーでは遠慮がちに、ほぼほぼ話さない内容。講演でも、話さない内容が、バンバン出ちゃってた。
法医学ドラマ「BONES〜骨は語る」素晴らしいドラマです。アメリカのドラマですが、法医学者と警察のチーム構成は、日本も同じです。
え!ここまで言っていいの?という、私的には遠慮をしていた様々な情報が出ていました。このドラマを見た世界中の若い世代の人たちが、BONESになりたいと法医学を目指してくれる人が増えているとか。
亡くなってから見付けてもらった人たちも、警察にお世話をしてもらって、医師の診断を受けて、診断書を書いてもらいます。それが無いと、火葬の許可が出ませんから。これを、知らない人も多いと思いますが。
昨日は刑事さんと、看護師さんと私と、地域の中で検証や検視が増えている現在、これからの話しをしていました。
地域の中では、お一人で亡くなられていく環境にある方も多勢いる現代。一人ひとりが安心出来る地域を、お一人で亡くなられていても、早い発見が求められています。みんなで、守れる地域になれたらと思っています。
「俺の体に虫が着いてたら頼むな!」
一人暮らしのお年寄りは、よく私に言いますが、
私「うん、その前に、誰か呼ぼう!」
お年寄り「んだ、んだ。(笑)」
お年寄りは、人に昆虫が付いているのを見た経験がありますから、お年寄りとはそのような話しが出来ます。
なぜ、虫が着いたのかと、ご遺族から問われることも増えています。なので、今日は昆虫の話しをしました。
ちなみに、私は現場以外は、虫は全くダメです。家ではじいちゃんに、「取って!」と頼んでいます。でも、じいちゃんは歩くのがゆっくりなので、虫に対して「速いな」と言い、いつも逃げられる結果となるわけでございました。以上でした。