2.132020
東日本大震災から、9年。
東日本大震災から、9年。
いのち新聞のメンバーは、被災者遺族も多いことから命日の日は自分の故郷で過ごします。
そこで、気持ちとして一番様々なことを考える一ヶ月前の「2月11日」に、
今年で8回目になる、
東日本大震災、写真・パネル展を開催致しました。
警察本部から70枚の震災警察活動写真、北上警察署から20枚の震災警察活動写真をお借りしました。災害発生から被災地域で何があったのか、どのような状況だったのか、どのような流れだったのか、という事実が正しく、且つよく理解できる写真です。今年は、私たちいのち新聞の写真も間に組み込み展示しました。その流れとその時に感じた気持ちが分かりやすいように、吹き出しや説明を入れ、災害時のながれをお伝えしました。
警察本部音楽隊の皆さまは、震災発生後も被災した沿岸地域で演奏を続けて居られて、打ち合わせ時から、私たちいのち新聞のメンバーが聞き取った様々な被災者心理をお伝えし、演奏曲を決めていただいていました。当日は、カラーガード隊4名も会場をカッコよく盛り上げてくれました。来場者の皆さまは、涙を流す方もとても多く、最後は大きな拍手が沸き、アンコールにも応えていただきました。
警察本部検視官室、科学捜査研究所、鑑識課のチームで身元不明者相談会が行われ、内陸に引っ越された方々、そして各沿岸地域からも、行方不明の家族の帰りを待つ皆さんが相談されていました。「安心した!」被災者遺族の皆さんが相談を終えて、胸を押さえながら安堵した笑顔で話してくれました。普段私たちは普通に会えない警察本部のチームの皆さんが、行方不明の家族の帰りを持つ方々のために会場内に受付を置いて、震災後発見された似顔絵が11枚展示され(警察本部のホームページから確認できます)、一人ひとりの相談を丁寧に聞いてくださっていました。
来場された方で、「相談の時に一緒に来て」とお願いされていた方が居られたのですが、私が当日、来場者の対応に追われており、その時に検視官室の担当官がずっと寄り添ってくださっていて、私もとても有り難くて、そして相談者ご本人のその表情を拝見して安心しました。
被害者支援センターさんは、昨年に続きの展示物と、今年初の企画で、多くの皆さんと対応されていました。被害者支援センターは会員になることができます(私も会員です)。知っているのと知らないのとでは、きっと大きく人生が変わると思います(私もさくらの納棺の現場では、ご遺族にお話しすることがあります)詳しくは、被害者支援センターホームページをご覧ください。
東日本大震災を考える会場内では警察官の皆さま30名以上のお力をお借りして、展示物設営、会場内対応、展示物撤収を行なっていただいていました。私たちいのち新聞の来場者の特徴が、被災者遺族も多いことから、「当時の安置所にタイムスリップしたみたいで嬉しい。あの時は、沢山取り乱したけど、9年経った今、あの時に戻れた気がして考えて来たことをまとめたり、警察官に聞いてもらって安心した」という声も多くいただきました。
いのち新聞のメンバーは25名、警察官もメンバーも来場者を思い、一人ひとりがリーダーになって動いてもらって、イレギュラーなことが沢山ありましたが、来場者の安心と笑顔につなげてもらっていて、本当にみんなの力が一つになった時間だったと思います。
来場者の皆さんから、「なんてステキな空間なんだろう!」「ずっとここに居たい!」「記憶が昇華されたよ」など、そのような声を多くいただきましたが、私自身もそう思っていました。
入場者も700名を超え、これまでの倍以上の人数で、会場内も熱気に溢れていました。
もしかしたら、来場者の皆さんも、いのち新聞の一員と思ってくれた人たちも居るのではないでしょうか。それであれば、私たちもとても嬉しいです。
今年初めてのコーナー、「お砂踏み」のコーナーでは準備の段階で、被災地の皆さんのお力をたくさんいただきました。ありがとうございました。「故郷に帰りたい」内陸の被災者の皆さんの思いを、沿岸の被災地の皆さんが叶えてくれた、そういう企画でした。被災地を思い続けてくださる皆さんも、お砂を踏みながら各被災地を思ってくださる時間でした。
お砂を提供してくださった、70歳の男性の方が話してくれたのが、
昨日、孫も含めて会場にみんなで行って、帰りの車の中で話し合ったんだけど、その結果、今年の3月11日は、家族みんなで沖に向かって、地震があったサイレンが鳴り終わった1時間後まで、沖に向かって並んで立って、行方不明の母、嫁、娘、家族3人に話しかけてみようかと、そういうことになったよと、話してくれました。
そして、毎回人気の「母ちゃんの会、お花コーナー」限定で手のひらに乗るサイズのアレンジメントを、お空に居る大切なご家族の写真の前に置いていただければということで、企画して3年目。やっぱり、大変な賑わいです。ご寄付、ご支援いただいた皆さまのおかげさまで、毎年行うことができています。ありがとうございました。
会場に来場してくれて、お話しできた皆さんの共通点は、お空に行った家族に、会える気が、会えた気がしたよと、話してくれたことでした。
準備はすごく大変だけど(笑)やっぱり続けた方がいいのかなと、みんなで話し合った昨日でした。
全国各地、ポスターの張り出しに御協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
報道関係は、IBCラジオ(2回)、IBCテレビ(2回)、テレビ岩手(2回)、河北新報、岩手日報(2回)、岩手日日(2回)、朝日新聞、共同通信、他、多くの報道のお力をお借りしました。
いのち新聞では、行方不明者相談会に一人でも多くの方に相談に来ていただきたかったこと、東日本大震災を経験した私たち世代がその怖さを知っているからこそ、自分や周りの人を守ることを考えてもらえる環境を作りたかったこと、そしてお空に行った大切な人を、みんなで大切に思えるように、その万全な体制を整ええ、当日を迎えました。行き届かないところもあったかと思いますが、また次に活かしていきたいと思います。
御協力いただいた皆さま、ご来場いただいた皆さま、いのち新聞メンバーと関係者一同心より感謝を申し上げるとともに、皆さまお一人お一人のご健勝をご祈念申し上げます。ありがとうございました。
詳しくは、いのち新聞の次号最新号でお伝えしたいと思っています。これからもご支援を、よろしくお願い致します。